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DESIGN LAB
RESEARCH / 01
WORLD CO-CREATION ATLAS
ATLAS / 学びの入口 / 課題を捉える

8工程の実践教材 / 見たことと、そう思ったことを分ける

STEP 01.

課題を捉える

当事者の行動と既存の対処から、誰のどの不都合を変えるのかを定める。解決案を置く前に、確かめるべき仮説と判断する人を決める。

READ.
TRY.
RETHINK.

知る。自分の案件で考える。
確かめて、また学び直す。

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8工程は、価値創造機能の中にあります。資源を持ち込み、働きかけ、直接の成果と利用者・地域の変化を分けて確かめます。4つの切り口の読み方 →

AFTER THIS LESSON

読んだ後、できること。

読む目安 14分 / 演習の時間は含みません

01

目的|解く価値のある不都合を特定する

持ち帰る成果物は、現状、望む状態、その差、対象と対象外、根拠、未確認事項をまとめた「課題定義シート」。『空き店舗に施設をつくる』は手段の候補であり、課題の定義にはしない。誰が何をしようとして、どこで止まり、何を代わりにしているかを記す。

Design Councilは、課題に関わる人と対話して理解し、小さく試しながら前の段階へ戻る考え方を示している。本教材の8ステップは進行の目印であり、必ず順に通過する審査工程ではない。以下の質問・シート・判断条件は、その考え方を地域案件に使うための教材独自の提案。

根拠:Design Council・公開年の記載なし / Government Digital Service / GOV.UK Service Manual・2021

02

進め方①|普段の行動と既存の対処を追う

調査前に『今回の判断に何が分かれば足りるか』を一つ決める。現場の担当者、利用する人、利用を諦めた人、そもそも来られない人を分けて探す。協力者だけの意見を地域全体の意見として扱わない。本人が希望する日時・場所・方法で、目的と記録の扱いを説明してから行う。

一連の行動を、困りごとの発生→探す→相談する→引き継がれる→解決または中断、に分けて観察する。観察日時、場面、本人の言葉、待ち・移動・再説明、既存の工夫を残す。年齢や表情から、能力・気持ち・必要性を断定しない。

  • 見た行動と、本人の説明を別の欄に書く。録音・撮影は必要性と本人の意向を確認する。
  • 窓口記録や案内物と照合し、本人が見えていない運営側の制約も調べる。
  • 費用だけでなく、家族の同行、交通、時間、言語、心理的負担を聞く。

根拠:Government Digital Service / GOV.UK Service Manual・2017

03

進め方②|意見より、直近の具体的な経験を聞く

インタビューは『この施設があれば使いますか』から始めない。賛成を得るためではなく、実際の選択や中断の理由を理解するために行う。次の質問を起点に、本人が話した範囲を掘り下げる。記憶による説明は、直接観察とは区別する。

  • 『最近、地域の支援や相談先を探したのは、どんなときでしたか。最初から順に教えてください。』
  • 『最初に何をしましたか。その次はどうしましたか。見せられる案内や記録はありますか。』
  • 『途中で困った、待った、やめた場面はありますか。そのとき、どう対処しましたか。』
  • 『誰に手伝ってもらいましたか。その人にはどんな負担がありましたか。』
  • 『同じ用件でも、うまくいったときはありますか。何が違いましたか。』
  • 『私たちがまだ会えていない人のうち、違う経験をしていそうなのは誰ですか。』

根拠:Government Digital Service / GOV.UK Service Manual・2017

04

進め方③|原因を複数置き、外れ方を決める

『相談先が分からない』という説明だけで情報不足に決めない。案内が分からない、窓口の開設時間に合わない、相談内容を他人に知られたくない、支援の対象条件に合わない、といった異なる仮説を置く。困りごと→原因候補→観察されるはずの行動→確かめ方、をつなぐ。

問題の重要さは、発言の強さや件数だけで決めない。生活への影響、発生の繰り返し、代替手段、対応しない場合の不利益、改善可能性を同じ表で比べる。予算や権限を持つ判断者と、何をいつまでに決めるか、どの情報が不足したら判断を保留するかを合意する。

原因候補それが主因なら調べたいこと仮説を見直す手がかり
案内が分かりにくいどの語句・分岐で止まるか案内を理解しても利用できない
開設時間が合わない必要な時間帯と窓口の時間のずれ時間が合っても相談を避ける
相談の心理的・関係的な負担誰にどこまで話せるか匿名・個別の方法でも同じ中断が起こる
05

記入例|ひだまり地区の空き店舗プロジェクト

この教材を通じて使う『ひだまり地区』は教育用の架空設定。商店街の空き店舗を、地域の相談・支援への入口にできないかという企画を検討する。実在の地区・団体の調査結果ではなく、観察、費用、効果はすべて未測定。後続の例も実施計画の見本である。

課題文案は『地域の支援を必要とする人が、最初の相談先を選び、次の行動へ進むまでにある障壁を減らしたい』。空き店舗を使う必要性は未確定とする。まず既存窓口への到達過程と利用しない理由を調べ、施設の有無とは別に問題を定義する。

区分記入する内容の見本現時点の扱い
観察事実いつ、どの案内を見て、どの行動をしたか観察後に本人を特定しない形で記入。現在は空欄
本人の発言本人が使った言葉と発言場面聞き取り後に記入。現在は未収集
解釈案内の分岐が理解を妨げた可能性解釈として別欄に置く
仮説案内を整理すると次の相談先を選びやすくなる比較して検証する対象
未確認時間、距離、プライバシーが主因ではないか別の人・場面で確かめる
06

出口|問題文を更新してから、次の問いへ

最新の調査で対象・原因・判断者が既に分かっているなら、重複調査を省いて02へ進める。ただし根拠の時期、対象、欠けている人を確認する。現場で違う原因が見えたら、この段階へ戻り、問題文の旧版も残す。少人数の声から困りごとの地域全体での割合や将来需要を推定しない。

引き継ぐものは、匿名化した観察台帳、原因と反証の表、課題文、対象外、未確認事項、次の調査の担当者と期限。関連事例は、MIT D-LabとOpenlab Stockholmのページを『誰が課題を定義し、当事者がどこに関わるか』という問いで読む。事例の成果を、この架空地区でも起こると解釈しない。

WORKED EXAMPLE / 編集部による記入例

どこまで書けばよいか、例でつかむ。

以下は考え方を示す学習用の記入例です。実案件の実績・予算・合意を示すものではありません。

誰の、どの場面の不都合か
【教育用の架空例】支援を必要とする住民が、最初の相談先を選び、次の行動に進む際の障壁。程度・発生頻度は未確認。
分かっている事実と未確認事項
【架空の計画】窓口利用の流れ、案内物、相談を中断した理由を調査する。記録値は未測定、聞き取り結果は未収集。
誰の声が足りないか
【架空の計画】昼間に来られない人、オンラインを使いづらい人、人前で相談したくない人へ別々の方法で協力を依頼する。
次に聞く具体的な質問
【架空の計画】『最近、支援先を探したとき、最初に何をし、どこで困りましたか。その後はどうしましたか。』
主仮説・別の仮説・反証
【架空の仮説】主仮説は案内の分かりにくさ。別仮説は開設時間と相談の心理的負担。案内を理解できても進めなければ主仮説を見直す。
判断する人・期限・次の作業
【架空の計画】企画責任者が次回の判断会で調査継続か課題再定義を決める。調査担当はその前に未利用者と既存窓口の調査計画を提出する。

YOUR WORKSHEET / 自分の案件で考える

課題を一枚にする

以下は空き店舗の活用をまだ決めていない段階の記入例。自分の案件では、事実の欄に確認日と根拠を添える。

入力はこのブラウザに自動保存されます。ほかの端末への引き継ぎには「バックアップ」と「読み込み」を使ってください。共有する前に、個人情報や非公開情報が含まれていないか確認してください。

入力を待っています0 / 6項目を記入

対象者、行動、現在と望む状態、その差を書く。解決手段を問題文に入れない。

記入例を参考にする

【教育用の架空例】支援を必要とする住民が、最初の相談先を選び、次の行動に進む際の障壁。程度・発生頻度は未確認。

観察・本人の発言・既存記録・解釈を分け、日時、確認者、記録の場所を添える。

記入例を参考にする

【架空の計画】窓口利用の流れ、案内物、相談を中断した理由を調査する。記録値は未測定、聞き取り結果は未収集。

利用者、非利用者、現場担当者、家族、近隣の負担を受ける人を挙げる。

記入例を参考にする

【架空の計画】昼間に来られない人、オンラインを使いづらい人、人前で相談したくない人へ別々の方法で協力を依頼する。

直近の経験について、開始から終了まで本人の順序で語ってもらう。

記入例を参考にする

【架空の計画】『最近、支援先を探したとき、最初に何をし、どこで困りましたか。その後はどうしましたか。』

少なくとも二つの原因と、それぞれを見直す観察をセットにする。

記入例を参考にする

【架空の仮説】主仮説は案内の分かりにくさ。別仮説は開設時間と相談の心理的負担。案内を理解できても進めなければ主仮説を見直す。

誰が何を判断し、誰がいつまでに根拠を集めるか。調査に使える時間も記す。

記入例を参考にする

【架空の計画】企画責任者が次回の判断会で調査継続か課題再定義を決める。調査担当はその前に未利用者と既存窓口の調査計画を提出する。

次の人に説明できるか、確かめる

記入済みの数は進捗の目安です。内容の妥当性や、実行の準備が整ったことを判定するものではありません。

DECISION / 次に何をするか

進む。変える。いったん止める。

以下はMDLによる判断の手掛かりです。担当者と当事者で確認し、判断した日と理由をシートに残してください。

進める条件

課題の場面、根拠の限界、複数の原因候補が整理され、当事者と判断者が次に確かめる問いを共有できたら02へ進む。

戻って、変える条件

想定した人に別の困りごとがある、既存サービスで対応できる、原因が異なると分かったら対象・問題文・調査方法を変える。

保留・停止する条件

調査への同意や必要な現場協力が得られない場合はその調査を止める。取り組む理由が確認できなければ企画を保留し、調査不足を需要なしと断定しない。

SOURCES / 原典を読む

根拠と、読み取れる範囲。

定義・資料に書かれたことと、教材としての整理・演習を区別しています。記入例と判断基準はMDLによる学習用の提案です。

Design Council · 公開年の記載なし

Framework for Innovation ↗

何が分かるか:課題の探索と定義、複数案の開発、小規模な試験、反復、協働の考え方を確認できる。

読み取れる範囲・限界:8ステップの順序や本教材の個別手順を規定する資料ではない。施設や案件の効果・費用を示す根拠ではない。

確認箇所:The process: using the Double Diamond/The design principles/Creating a culture of success(2026-09-27確認)
関連工程:01 課題を捉える / 02 未来を問う / 04 デジタルで試す / 05 現物をつくる · 確認日:2026-09-27

Government Digital Service / GOV.UK Service Manual · 2021

How the discovery phase works ↗

何が分かるか:解決案を問題として問い直し、利用者の文脈・制約・継続の判断を調べる段階を確認できる。

読み取れる範囲・限界:英国政府のサービス開発の文脈。記載された期間や承認手続を日本の地域案件の標準として転用しない。

確認箇所:Define the problem/Understanding users and their context/Understanding constraints/How you know discovery is finished(2016公開、2021-06-21更新)
関連工程:01 課題を捉える · 確認日:2026-09-27

Government Digital Service / GOV.UK Service Manual · 2017

Using in-depth interviews ↗

何が分かるか:調査目的に沿った質問の準備、中立的な聞き方、実際の経験を掘り下げる聞き取りを確認できる。

読み取れる範囲・限界:本教材の日本語質問文は独自の教育用例。聞き取りだけで行動の頻度や因果効果は確定できない。

確認箇所:Plan the sessions/Design the interview/Do the interview/After the interview(2017-02-21公開)
関連工程:01 課題を捉える · 確認日:2026-09-27

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