MDL.MOBILITY
DESIGN LAB
RESEARCH / 01
WORLD CO-CREATION ATLAS
ATLAS / 学びの入口 / 現物をつくる

8工程の実践教材 / 触れるものと、動くサービスをつくる

STEP 05.

現物をつくる

製品だけでなく、空間、案内、接客、引継ぎも試作する。試したい場面に必要な部分を実物大で用意し、現場へ持ち出す前に仕事の流れを確かめる。

READ.
TRY.
RETHINK.

知る。自分の案件で考える。
確かめて、また学び直す。

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8工程は、価値創造機能の中にあります。資源を持ち込み、働きかけ、直接の成果と利用者・地域の変化を分けて確かめます。4つの切り口の読み方 →

AFTER THIS LESSON

読んだ後、できること。

読む目安 10分 / 演習の時間は含みません

01

目的|体験と運営を同じ試作品にする

持ち帰る成果物は、試作物、使う場面の台本、運営手順、直す箇所の記録。現物は機械や製品だけではない。机の配置、案内札、受付の会話、電話での紹介、物の受渡し、スタッフの交代も試作の対象になる。

ENoLLの公開講座は、文脈の理解から試作・現場での試験・実装へつなぐ過程を扱っている。本教材では、特定の生活場面と仕事の流れを一組としてつくる方法を提案する。

根拠:European Network of Living Labs(ENoLL)/SCORE project・2024

02

進め方①|一場面を、必要な精度でつくる

すべてを完成させず、確かめたい体験に必要な部分だけをつくる。距離が問題なら実寸、言葉が問題なら台本、持ちやすさが問題なら触れる模型が必要。外観だけの模型で重さや安全性が分かったことにはしない。

既存品を借りる、紙に置き換える、人が裏で動かすなど、仮の仕組みを使ってよい。人が代わりに処理した部分は記録し、後に自動化できると決めつけない。完成度を上げるほど変更費と使い続けたい気持ちが増すため、先に廃棄・変更の条件を決める。

03

進め方②|利用者の動きと裏の作業を並べる

開始から終了までを横に並べ、各場面で利用者がすること、見える案内、スタッフの仕事、他組織への引渡しを書き出す。受付だけがうまくいっても、その先で止まればサービスはつながらない。

場面利用者に見えるもの裏で必要な仕事・例外
入るかを選ぶ扱う相談、待ち方、断る自由の案内受付担当の配置、対象外の案内
相談内容を伝える個別に話せる方法、必要最小限の質問記録の必要性判断、周囲に聞こえない配慮
次の相談先を選ぶ複数の候補、連絡の方法紹介先の条件・開設・受入れの確認
引き継ぐ誰に何を渡すかの説明本人の意向確認、不在・拒否・緊急時の手順
利用を終える次の行動、問合せ先記録整理、担当交代、未完了案件の管理
04

進め方③|困る場面から練習する

関係者の役割演習で、初めて来た人、途中でやめる人、聞こえにくい人、案内先が不在の場合などを試す。これは実利用者の経験を代弁する証拠にはならないが、手順の欠落を早く見つける材料になる。

場所・設備・作業に必要な確認事項は、管理者や該当分野の担当者へ具体的に聞く。試作品であることを理由に、必要な安全確認や利用条件を省かない。スタッフが対応できない場面を明らかにし、止め方と連絡先を用意する。

  • 『案内先が閉まっていたら、誰がどこまで対応するか。』
  • 『利用を途中でやめたい人に、どんな説明をするか。』
  • 『担当者が欠席したら、どのサービスを休止するか。』
  • 『片付け後に残る情報、物、未対応の用件を誰が持つか。』
05

記入例|空き店舗に仮の受付を置く

教育用の架空案件『ひだまり地区』では、所有者等との必要な確認を前提に、借用机、相談内容の案内、待つ位置、個別に話す位置を実寸で試す計画を立てる。建物の恒久改修は、仮設運営で必要な条件が分かるまで判断を保留する。実際の安全性や利用許可が確認できたという意味ではない。

まず内部の役割演習で受付から紹介先への引渡しまで試す。案内先が不在なら『紹介済み』にしない。本人に次の選択肢を説明する台本を用意し、未完了の扱いを運営候補へ確認する。結果は未実施であり、配置や手順の優劣はまだ分からない。

06

出口|完成写真より、次の人が動ける一式を渡す

既にある設備やサービスで検証できる場合は、新規制作を省く。物の性能が原因でなければ、サービスの手順や人員配置へ戻る。見学者の拍手、完成写真、制作者自身の成功から使いやすさや現場効果を推定しない。

引継ぎは、部材・借用品一覧、配置、操作・接客手順、対応範囲、危険・故障時の停止、変更履歴、保管・片付け担当。RoboHouseとFirstBuildの事例は『何を現物で確かめ、誰が次の改良に参加するか』という問いで読む。

WORKED EXAMPLE / 編集部による記入例

どこまで書けばよいか、例でつかむ。

以下は考え方を示す学習用の記入例です。実案件の実績・予算・合意を示すものではありません。

誰が何をする場面か
【教育用の架空例】住民が仮設窓口へ入り、相談先の候補と次の行動を選ぶまで。相談そのものの解決は今回の範囲外。
実物にする部分と仮の部分
【架空の計画】机と待つ位置は実寸、案内は紙、相談内容は架空事例。紹介先との連絡は内部演習で再現する。
表の体験と裏の仕事
【架空の計画】利用者の選択に合わせて受付担当が案内し、別の担当が紹介先の条件を確認する。記録担当は必要最小限の手順上の情報を残す。
失敗・不在・中断の手順
【架空の計画】紹介先が不在なら完了扱いにせず、本人に別の連絡方法を示す。個別に話せない場合は相談の受取りを止める。
人・物・時間・確認事項
【架空の計画】借用品と管理者、搬入出、設営と撤収の担当、使用条件、清掃と保管を一覧化する。費用・時間は未見積り。
現場実験に渡す版と条件
【架空の計画】受付台本と配置図の同じ版を渡す。運営候補が例外時の対応を実演できるか確認してから06の実施可否を判断する。

YOUR WORKSHEET / 自分の案件で考える

試作する一場面と、運営の裏側を描く

使う物と、人がする仕事を別々に記入してからつなぐ。

入力はこのブラウザに自動保存されます。ほかの端末への引き継ぎには「バックアップ」と「読み込み」を使ってください。共有する前に、個人情報や非公開情報が含まれていないか確認してください。

入力を待っています0 / 6項目を記入

開始と終了を区切り、今回確かめない範囲を明示する。

記入例を参考にする

【教育用の架空例】住民が仮設窓口へ入り、相談先の候補と次の行動を選ぶまで。相談そのものの解決は今回の範囲外。

寸法、触感、言葉、動作など、問いに必要な精度を選ぶ。

記入例を参考にする

【架空の計画】机と待つ位置は実寸、案内は紙、相談内容は架空事例。紹介先との連絡は内部演習で再現する。

受付、記録、連絡、引渡し、片付けに担当を割り当てる。

記入例を参考にする

【架空の計画】利用者の選択に合わせて受付担当が案内し、別の担当が紹介先の条件を確認する。記録担当は必要最小限の手順上の情報を残す。

誰が止め、誰へ連絡し、何が確認できたら再開するかを書く。

記入例を参考にする

【架空の計画】紹介先が不在なら完了扱いにせず、本人に別の連絡方法を示す。個別に話せない場合は相談の受取りを止める。

購入だけでなく、借用、設営、片付け、保管、必要な管理者確認を含める。

記入例を参考にする

【架空の計画】借用品と管理者、搬入出、設営と撤収の担当、使用条件、清掃と保管を一覧化する。費用・時間は未見積り。

試作の版、未解決事項、運営担当の練習、実施可否の判断者を記す。

記入例を参考にする

【架空の計画】受付台本と配置図の同じ版を渡す。運営候補が例外時の対応を実演できるか確認してから06の実施可否を判断する。

次の人に説明できるか、確かめる

記入済みの数は進捗の目安です。内容の妥当性や、実行の準備が整ったことを判定するものではありません。

DECISION / 次に何をするか

進む。変える。いったん止める。

以下はMDLによる判断の手掛かりです。担当者と当事者で確認し、判断した日と理由をシートに残してください。

進める条件

実験で使う版、担当、対応範囲、停止手順、必要な現場条件を確認できたら06へ進む。

戻って、変える条件

動線や引渡しが途切れる、兼任では回らない場合は配置・手順・提供範囲を変える。技術上の問いなら04へ戻る。

保留・停止する条件

安全な扱い、利用条件、対応範囲外の引渡しを確認できない場合は現場持出しを止める。試作物の完成を実施許可としない。

SOURCES / 原典を読む

根拠と、読み取れる範囲。

定義・資料に書かれたことと、教材としての整理・演習を区別しています。記入例と判断基準はMDLによる学習用の提案です。

European Network of Living Labs(ENoLL)/SCORE project · 2024

Living Lab Integrative Process Video Series ↗

何が分かるか:当事者と現場の文脈を踏まえ、試作・試験・実装・展開を反復的に扱う学習構成を確認できる。

読み取れる範囲・限界:閲覧したのは公開説明であり、講座動画を視聴したとは扱わない。沿岸都市等を含む元の文脈から、地域案件の効果や標準工程を断定しない。

確認箇所:公開講座紹介、Understanding the Living Lab Integrative Process、Prototype Stage、Test Stage、Implement Stage、Scale Up Stageの公開説明(2026-09-27確認)
関連工程:03 仲間をつくる / 05 現物をつくる / 06 現場で確かめる / 07 事業にする / 08 社会へ広げる · 確認日:2026-09-27

Government Digital Service / GOV.UK Service Manual · 2019

How the alpha phase works ↗

何が分かるか:重要な仮定を確かめる範囲の試作と、その結果に基づく次段階の判断を確認できる。

読み取れる範囲・限界:英国のサービス開発段階の説明。紙・空間・接客の具体的な演習は本教材独自の提案であり、試作は実証や本番の代用ではない。

確認箇所:Focus on testing your riskiest assumptions/Solving a whole problem for users/Deciding whether to move on to beta(2016公開、2019-05-08更新)
関連工程:04 デジタルで試す / 05 現物をつくる · 確認日:2026-09-27

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