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DESIGN LAB
RESEARCH / 01
WORLD CO-CREATION ATLAS
ATLAS / 学びの入口 / 現場で確かめる

8工程の実践教材 / 実施できたことと、効果があったことを分ける

STEP 06.

現場で確かめる

日常の条件で試し、利用者の変化と運営負荷を確かめる。始める前に比較・測定・中止条件を決め、分からなかったことも次の判断へ渡す。

READ.
TRY.
RETHINK.

知る。自分の案件で考える。
確かめて、また学び直す。

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8工程は、価値創造機能の中にあります。資源を持ち込み、働きかけ、直接の成果と利用者・地域の変化を分けて確かめます。4つの切り口の読み方 →

AFTER THIS LESSON

読んだ後、できること。

読む目安 15分 / 演習の時間は含みません

01

目的|採用の判断に必要な証拠を集める

持ち帰る成果物は、事前の実験計画、実施記録、結果と限界、次の判断。開催できた、参加者が喜んだという事実だけでは、困りごとが減ったかは分からない。仕組みが予定どおり動いたか、変化が起きたか、その変化に資源を使う価値があるかを分けて考える。

HM TreasuryのMagenta Bookは、早期から評価を設計し、実施過程・影響・資源に見合う価値を検討する考え方を示す。小さな試行で仕組みを改善することと、大きな効果を確定する評価は異なる。本教材の実験計画は学習用の提案で、どの案件にも同じ期間や人数を当てはめるものではない。

根拠:HM Treasury / Evaluation Task Force・2026

02

進め方①|始める前の状態と、比べる条件を置く

何もしなければどうなるかを考え、実施前の同じ場面の記録を取り始める。可能なら通常の案内を使う場面など、適切な比較対象を用意する。曜日、開設時間、担当者、相談の内容、募集方法、天候や他の催しを記録し、条件の差を説明できるようにする。

実施前後の改善だけでは、季節、広報、慣れ、参加した人の違いなどを除けない。比較する相手を無作為に分けていない場合は選択の偏りが残る。必要な支援を止めて比較群をつくるような設計は避ける。厳密な効果量が意思決定に必要なら、実施前に評価の専門家と対象数・方法を設計する。

  • 主仮説と同時に『別の説明でもこの変化が起こるか』を書く。
  • 比較が成立しない場合は、過程の記録・聞き取り・既存資料を照合し、因果の断定を限定する。
  • 条件を途中で変えたら、変更日と理由を残し、同じ試験として混ぜない。

根拠:HM Treasury / Evaluation Task Force・2026

03

進め方②|指標の定義・分母・担当をそろえる

指標には、誰をいつからいつまで数え、何を完了とし、誰がどの記録から測るかを付ける。集めやすい来訪者数だけに偏らない。途中離脱、回答しなかった人、紹介が届かなかった人を落とさず、分母と欠測の扱いを明示する。本人の意向で別の選択をした場合と、案内の失敗を区別する。

確かめること指標の定義例(教材の提案)記録する条件・担当
実施量(Output)案内を受けた人数と実施時間重複と対象範囲を定義。受付担当が匿名集計
短期の変化(Outcome)次の行動を本人が説明できた人数/確認した人数質問、確認時点、補助の有無、未回答数。調査担当
紹介の到達本人が希望した紹介のうち、接続を確認できた件数/確認対象件数同意のある範囲で方法と期限を固定。未確認を成功にしない
運営負荷受付・準備・連絡・片付け・記録の総時間有償・無償と通常業務との差。運営担当
負担と公平性待ち、中断、使えない理由、近隣や家族の追加負担参加しない人にも届く別の聞き取り。調査担当
長期の変化(Impact)必要な支援へ継続してつながる状態等長期追跡の別計画が必要。短期試行では未検証
04

進め方③|日常の条件と例外を記録する

初日だけでなく、担当交代や混む時間、利用が少ない場面も観察できる計画にする。どの属性や条件を確認する必要があるかを先に決め、集める情報は判断に必要なものへ絞る。撮影の多さより、現場の行動と記録の整合を重視する。

現場責任者は重大な誤案内、相談の秘密を守れない状況、安全上の問題など、事前に決めた条件で停止できるようにする。評価担当は停止・失敗を含めて記録する。参加者には協力を断る方法、困ったときの連絡先、結果の返し方を知らせる。

  • 開始前:使用する版、担当者、場所・時間、記録方法、停止条件を確認する。
  • 実施中:介入した内容、通常と違う条件、予期しない出来事、途中変更を残す。
  • 終了時:『やろうとしたことは何でしたか』『何ができず、どう対処しましたか』『負担が増えた人はいますか』と聞く。
  • 終了後:運営担当と記録の食い違いを確認し、利用者に結果と対応を返す。

根拠:OECD・2022

05

記入例|仮設窓口と通常の案内を比較する計画

教育用の架空案件『ひだまり地区』では、通常の案内の使われ方を記録した後、条件を記録しながら仮設窓口を試す。両方で『次の相談先と連絡方法を説明できるか』『どんな補助が必要か』『職員の総作業時間』を同じ定義で確認する。実験の実施、人数、結果、費用はすべて未確定・未測定。

主仮説は対面で選択を支えることが次の行動につながる、別仮説は広報を見た関心の高い人だけが参加するため良く見える、である。募集経路と非利用者の理由を調べ、効果が確認できない場合に宣伝不足だけを原因としない。現場で測れた変化の範囲を超えて、地域全体の孤立解消や行政費削減を主張しない。

06

出口|成功報告ではなく、判断できる結果を渡す

すでに同じ条件で十分な根拠があるなら、重複実験を省き、今回違う条件だけ確かめる。比較条件や測定が崩れたときは『効果なし』ではなく『判断できない』と区別する。実施できても運営負荷が続かないなら03・07へ、原因が違えば01へ戻る。

引継ぎは、事前計画、匿名集計、測定定義、未回答・中断、費用と工数、変更履歴、反証、判断理由。Forum Virium HelsinkiとTest in Tallinnの事例は『誰の現場で、何を判断するために試すか』という問いで読む。実証に参加できることと、その後の採用が決まることを分ける。

WORKED EXAMPLE / 編集部による記入例

どこまで書けばよいか、例でつかむ。

以下は考え方を示す学習用の記入例です。実案件の実績・予算・合意を示すものではありません。

仮説・別仮説・今回決めたいこと
【教育用の架空計画】仮設窓口が次の相談行動を助けるかを確かめる。別仮説は募集に応じる人の偏り。採用判断の前に、案内と紹介の仕組みを続けて試すかを決める。
基準となる状態・比較・対象・期間
【架空の計画】通常案内と仮設窓口の場面を同じ課題・定義で記録する。日時・相談内容・募集経路の差も残す。対象数と期間は現場条件を確認して事前に決める。
測るもの・分母・記録者
【架空の計画】次の行動を説明できた人数/確認した人数、補助の有無、未回答、紹介の未確認、全作業時間を記録する。受付と評価の担当を分ける。
参加条件と停止条件
【架空の計画】個別に話せない、重大な誤案内が起きる、対応範囲外の相談を引き渡せない場合に受付を止める。現場責任者が停止し、企画責任者が改善確認後に再開を判断する。
担当・実施費・日程・最大負担
【架空の計画】実験費には募集、場所、設営、受付、連絡、測定、片付け、結果返却を含める。金額・時間の上限は未見積りのため、確定まで実施を承認しない。
結果に応じた次の判断と返却先
【架空の計画】次の行動の理解と運営負荷を事前基準で評価する。改善が見えても偏りが大きければ条件を変えて再検証する。結果・限界・対応を住民側の検討者と運営候補へ返す。

YOUR WORKSHEET / 自分の案件で考える

実験を始める前の計画書

結果欄は実測まで空欄にする。成功条件は、結果を見てから都合よく変えない。

入力はこのブラウザに自動保存されます。ほかの端末への引き継ぎには「バックアップ」と「読み込み」を使ってください。共有する前に、個人情報や非公開情報が含まれていないか確認してください。

入力を待っています0 / 6項目を記入

何が変わると予想し、別の理由でも起こりうるかを記す。

記入例を参考にする

【教育用の架空計画】仮設窓口が次の相談行動を助けるかを確かめる。別仮説は募集に応じる人の偏り。採用判断の前に、案内と紹介の仕組みを続けて試すかを決める。

実施前、比較対象、対象の選び方、観察する条件をそろえ、残る偏りも書く。

記入例を参考にする

【架空の計画】通常案内と仮設窓口の場面を同じ課題・定義で記録する。日時・相談内容・募集経路の差も残す。対象数と期間は現場条件を確認して事前に決める。

実施量、短期変化、総工数、負担をそれぞれ定義する。欠測を除外するなら理由を書く。

記入例を参考にする

【架空の計画】次の行動を説明できた人数/確認した人数、補助の有無、未回答、紹介の未確認、全作業時間を記録する。受付と評価の担当を分ける。

説明、記録の扱い、断る方法、実験を止める観察、再開の判断者を決める。

記入例を参考にする

【架空の計画】個別に話せない、重大な誤案内が起きる、対応範囲外の相談を引き渡せない場合に受付を止める。現場責任者が停止し、企画責任者が改善確認後に再開を判断する。

準備から結果返却までの工数・費用と、超えたら変更する上限を事前に合意する。

記入例を参考にする

【架空の計画】実験費には募集、場所、設営、受付、連絡、測定、片付け、結果返却を含める。金額・時間の上限は未見積りのため、確定まで実施を承認しない。

継続、変更、中止、判断不能の条件、判断者、結果を返す日時・相手を記す。

記入例を参考にする

【架空の計画】次の行動の理解と運営負荷を事前基準で評価する。改善が見えても偏りが大きければ条件を変えて再検証する。結果・限界・対応を住民側の検討者と運営候補へ返す。

次の人に説明できるか、確かめる

記入済みの数は進捗の目安です。内容の妥当性や、実行の準備が整ったことを判定するものではありません。

DECISION / 次に何をするか

進む。変える。いったん止める。

以下はMDLによる判断の手掛かりです。担当者と当事者で確認し、判断した日と理由をシートに残してください。

進める条件

事前に合意した改善の基準を満たし、負担が許容範囲で、運営候補が次の確認を引き受けるなら07の採用設計へ進む。根拠が短期・限定的なら条件付きの判断とする。

戻って、変える条件

一部の人にだけ届く、比較の偏りが大きい、運営工数が超える場合は対象・方法・体制を変えて再検証する。測定不足は判断不能として扱う。

保留・停止する条件

重大な不利益や事前の停止条件に該当したらその実施を止める。必要な改善が合理的に見込めず、負担を減らせない場合は案を終了し、結果と代替策を返す。

SOURCES / 原典を読む

根拠と、読み取れる範囲。

定義・資料に書かれたことと、教材としての整理・演習を区別しています。記入例と判断基準はMDLによる学習用の提案です。

HM Treasury / Evaluation Task Force · 2026

Magenta Book: Central Government guidance on evaluation ↗

何が分かるか:早期の評価設計、比較と基準データ、実施過程・影響・資源に見合う価値の区別、結果の適用範囲を確認できる。

読み取れる範囲・限界:英国中央政府の評価指針。本教材は統計設計や評価の専門助言を代替しない。四つの費用範囲、様式、数式の適用範囲は教材側の提案。

確認箇所:1.4 What role does evaluation have?/1.6 Why start planning early?/1.8 Types of evaluation/Chapter 2: Evaluation scoping/3.6 Value for money evaluation methods(2026年版)
関連工程:06 現場で確かめる / 07 事業にする / 08 社会へ広げる · 確認日:2026-09-27

OECD · 2022

OECD Guidelines for Citizen Participation Processes — Chapter 2 ↗

何が分かるか:参加が意思決定へ及ぼせる範囲、参加する人の選び方、意見の扱いと結果返却、参加過程の評価を確認できる。

読み取れる範囲・限界:公的機関の市民参加を主な対象とする。参加者がいることだけで代表性や公平性を証明するものではない。

確認箇所:Should I involve citizens?/Step 3: Identifying the relevant group of people to involve and recruiting participants/Step 8: Using citizen input and providing feedback/Step 9: Evaluating the participation process(2022-09-24)
関連工程:03 仲間をつくる / 06 現場で確かめる / 08 社会へ広げる · 確認日:2026-09-27

European Network of Living Labs(ENoLL)/SCORE project · 2024

Living Lab Integrative Process Video Series ↗

何が分かるか:当事者と現場の文脈を踏まえ、試作・試験・実装・展開を反復的に扱う学習構成を確認できる。

読み取れる範囲・限界:閲覧したのは公開説明であり、講座動画を視聴したとは扱わない。沿岸都市等を含む元の文脈から、地域案件の効果や標準工程を断定しない。

確認箇所:公開講座紹介、Understanding the Living Lab Integrative Process、Prototype Stage、Test Stage、Implement Stage、Scale Up Stageの公開説明(2026-09-27確認)
関連工程:03 仲間をつくる / 05 現物をつくる / 06 現場で確かめる / 07 事業にする / 08 社会へ広げる · 確認日:2026-09-27

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