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DESIGN LAB
RESEARCH / 01
WORLD CO-CREATION ATLAS
WORLD CO-CREATION ATLAS / 03 仲間をつくる / CASE 07

CASE 07 / フィンランド / エスポー

Aalto Design Factory

アールト・デザイン・ファクトリー

企業の難題に、学生責任者付きの混成チームを組む。

教室・試作工房・企業課題を一体運用する大学拠点。代表プログラムPdPでは企業が課題と資金と担当者を持ち込み、技術・デザイン・ビジネスを学ぶ学生がチームを編成する。通常約8人のチームに学生プロジェクトマネジャーを置き、学年を通して探索から機能試作まで進める。

公式サイトを見る ↗

大学・研究機関 · 調査確認日 2026.09.28

DF Labs内で複数の学生チームが共同作業する実習風景。
DF Labs内で複数の学生チームが共同作業する実習風景。
PHOTO: Aalto Design Factory · 掲載元 ↗ · Official press/media permission ↗
写真の詳細


Prototyping class at the DF Labs 1 · 2025-09-23 · 縮小・表示枠に合わせた切り抜き。色変更なし。

LOCATION / 所在地
フィンランド・エスポー
エスポー市代表点。実施設はAalto大学OtaniemiキャンパスのPuumiehenkuja 5A。
ESTABLISHED / 設立・開始
2008年
OPERATOR / 運営
Aalto University/Aalto Design Factoryの教員・運営職員・試作専門家
ROLE / 主な工程
課題を捉える / 仲間をつくる / 現物をつくる

AT A GLANCE

この事例の要点。

概要をつかんでから、知りたい項目へ。

何をする場・制度?

教室・試作工房・企業課題を一体運用する大学拠点。

運営の仕組みを読む ↓

何を学べる?

企業の難題に、学生責任者付きの混成チームを組む。

日本で活かす条件を読む ↓

どこまでわかっている?

公表された成果と、まだ確認できない点を分けて整理しています。

成果と根拠を確かめる ↓
対象単位
施設・場所
状況
試作を確認個別案件:Torggler:持続可能なシリコーン包装・供給方式 · 2026-09-28

Aalto大学の教室・工房を備える学際拠点。費用・知財条件は代表授業PdPの条件。

最初に読むポイント

企業の難題に、学生責任者付きの混成チームを組む。

Aalto大学の教室・工房を備える学際拠点。費用・知財条件は代表授業PdPの条件。 支援機能と実装への接続に注目する。

どちらの入口でも、本文と根拠は同じです。最初に読むポイントだけを切り替えます。

VALUE CREATION / 価値が生まれる仕組み

この事例を、4つの切り口で。

企業の課題と資金に、学生の異分野チーム、指導者、工房を組み合わせ、機能試作まで進める大学拠点。導入に向けて企業担当者の関与と成果知財の受渡しを先に置く。Torgglerの包装開発では利用者の慣れた使い方を踏まえて設計し、Sealeväでは顧客との対話を材料開発へ戻している。

I / INPUT

何を持ち込んでいるか。

活動の出発点となる資源と課題を分けて整理します。「自社」は、その場・制度を運営する組織を指します。

人的資本誰が、どんな力と責任を持ち寄るか
自社・運営組織

Aalto Design Factoryの教員、コース運営者、試作専門家。チームの学習支援と機器の安全運用を担い、全員が自由に高度機械を使う方式にはしていない。

公開資料で確認出典 1出典 2
他社・事業会社

スポンサー企業の課題責任者と継続窓口。Torgglerでは経営陣が包装課題を持ち込み、学生の成果を事業側で受け取る。

公開資料で確認出典 1出典 2
行政・公共機関

今回のPdP事例で、行政職員が恒常的なプロジェクトメンバーや調達主体になる制度は公開資料では未確認。

公開資料では未確認
スタートアップ

2026年公表のSealeväでは学生創業者3人のチームがPdPを通じて6人へ拡充。産業スポンサー型に加えて学生スタートアップの経路を整備している。

運営者・関係者の報告出典 1
アカデミア

技術、デザイン、ビジネス等の学生。標準は約8人で学生PMを置く。Torggler案件では自動化・工学・経済等を含む10人のチームが9か月取り組んだ。

公開資料で確認出典 1出典 2
市民・利用者・現場

Torggler案件はシーリング材の最終利用者へ面談。Sealeväは将来顧客、供給者、協業候補への面談を開発に組み込む。一般市民全体を代表する調査ではない。

公開資料で確認出典 1出典 2

有形資産

場所・設備・実証環境

機械加工、電子工作、3D印刷などの工房。Sealeväには学内の化学工学系設備やFabLabへの接続も支援し、一施設の装置だけで解けない試作に対応した。

公開資料で確認出典 1出典 2

関係資本

信頼・ネットワーク・導入先

企業の継続窓口、教員、学生チーム、学内の設備・起業支援コミュニティ。学校内の人的な案内役も、必要な専門設備へ到達する資源になる。

MDLの分析出典 1出典 2

金融資本

活動資金・投資・費用負担

産業スポンサー向け公開要項は1案件15,000ユーロ+VAT。研究・工房の大学基盤費や企業担当者の工数、量産・認証・市場導入の追加費用まで含む額ではない。

公開資料で確認出典 1

知的資本・データ

技術・知財・知識・標準

学生の専門知、企業が持つ製品・市場知、利用者調査、試験結果。スポンサー向け要項は成果知財を企業へ引き渡すと記載するが、個別の秘密保持や発表条件は契約確認が必要。

公開資料で確認出典 1出典 2

課題・ニーズ

誰の何を変えるのか

企業内ではリスクや部門境界のため後回しになる開発課題。包装材なら環境負荷の低減だけでなく、既存の工具・作業習慣と両立する採用条件を扱う。

MDLの分析出典 1出典 2

II / VALUE CREATION FUNCTIONS

資源を、どう価値へ変えるか。

以下は既存の8ステップへの編集上の対応づけです。各施設の公式な工程名や、全工程を自前で担うことを意味しません。

企業課題を教育で扱える問いにする

企業は課題、資金、担当者を提供し、教員と探索の範囲を調整する。学生PMが混成チームを動かす。企業側の依頼責任と学生側の実行責任を分けることで、自由な学習と現実の用途を接続する。

MDLの分析出典 1出典 2

利用者の習慣を試作へ戻す

Torggler案件は既存容器をなくす案も検討したが、利用者面談から慣れた形の重要性に気づき、同じ用途をよりよく成立させる方向へ修正した。技術的に新しいことと採用されることの差を設計に反映した。

MDLの分析出典 1

設備と専門家をまたいで反復する

材料を扱うSealeväは射出成形、3D印刷、加工などを繰り返し、大学内の別拠点も利用した。試すたびに外部発注する前に、小さな変更を自ら検証できる環境が学習速度を支える。

MDLの分析出典 1

企業への引継と起業への接続を分ける

産業案件はスポンサーへの知財受渡しをあらかじめ示す。学生発の材料事業では商談・協力意向書まで進める。この二つの出口を区別し、Galaの発表を一律に商品化成果として扱わない。

MDLの分析出典 1出典 2

III / OUTPUT

直接、何が生まれたか。

試作品、データ、契約、標準、育成した人材など、活動から直接生まれたもの。

  1. Torgglerのシリコーン容器について、2種類の解決案と2件の特許出願中の成果を2025年に公表。出願中であり、特許成立や量産開始とは別である。

    運営者・関係者の報告出典 1
  2. Sealeväの海藻由来材料サンプル、加工試作、2026年の公開展示、協力意向書。6か月で150件超の顧客等面談を実施したとチームが説明。

    運営者・関係者の報告出典 1
  3. 年度末Galaで公開する機能試作品と、開発過程を説明できる学生チーム。年間約150〜200学生という規模は、商品数や採用数を示すものではない。

    公開資料で確認出典 1

IV / OUTCOME

その結果、何が変わったか。

実際の利用、行動、業務、事業、地域の変化。報告された変化と、施設の活動に帰属できる効果は区別します。

  1. Torggler経営者は、複数専門が協働する方法が会社のビジョンにも役立ったと説明する。これは企業当事者の評価であり、売上や廃棄物削減の測定結果ではない。

    運営者・関係者の報告出典 1
  2. Sealeväでは創業チームの専門構成が拡がり、試作品を顧客・供給者と話せる状態へ進んだ。2026年6月の公表時点では2年以内の市場投入が目標で、本格商用化済みとは読めない。

    MDLの分析出典 1

PROJECT IN FOCUS / 具体的な事例

Torggler:持続可能なシリコーン包装・供給方式

確認できた段階:試作 調査確認日 2026-09-28

誰の課題を、どう扱ったか

リサイクルしにくい使用後容器に対し、企業経営陣の問題意識を工学・デザイン・経済等の学生が共同で検討した。

公開資料で確認出典 1

生まれたもの

9か月で異なる2案を制作。2025年の大学記事は2件の特許出願中と報告している。

運営者・関係者の報告出典 1

確認できた変化

量産、顧客の継続採用、実際の容器廃棄量削減は公開資料では未確認。企業側の好意的評価が確認できる段階。

公開資料では未確認

評価の限界:知財と試作品を、採用後の費用・使いやすさ・環境負荷の実績に接続して確認する必要がある。

DESIGN BACKWARDS FROM IMPLEMENTATION

社会実装から逆算して、
何を先に整えているか。

実証の先にある導入・運用・継続から、この事例の設計を読み解きます。原典で確認できる仕組みと、MDLの設計解釈・他地域へ応用するための提案を区別して読んでください。「提案」「未実施」と記す内容は、当地で実施済みの工夫ではありません。仕組みの存在と、全案件で成果が出たことも別に扱います。

01

企業の関与を参加条件にする

課題だけ渡して終わらず、企業の連絡担当者と更新・助言方法を決める。引継先が検討過程を理解している状態を作ることで、完成品を見てから評価基準が変わるリスクを減らす。

MDLの分析出典 1
02

採用される形を利用者から学ぶ

包装の環境性能だけを最適化せず、現場の使い方や慣れを受け止める。既存市場との接続条件を試作前後に確かめることが、実装から逆算する要点である。

MDLの分析出典 1
03

権利の受取先を明示する

企業スポンサー型では知財の受渡しを要項に含める。利用権が曖昧で試作品が止まることを防ぐ入口設計だが、量産投資や導入を約束するものではない。

MDLの分析出典 1
04

顧客対話を発表会より早く始める

Sealeväは材料開発中から顧客・供給者等と話し、試作の意味を確かめた。意向書は次の検証の手掛かりとして扱い、購買契約や継続売上とは分ける。

MDLの分析出典 1

MORE DETAIL / 運営・根拠・応用

運営の全体像と、学びを深める資料。

費用負担、公表値、応用条件、写真・動画、原典を続けて確認できます。

01どう動かしているのか。

企業が未解決の開発課題を提案し、教員と内容を調整する。スポンサーは学生に課題を説明し、期間中の窓口担当者を置いて更新・助言の頻度をチームと決める。通常約8人の学際チームには学生プロジェクトマネジャーを配置。9月の編成から5月のGalaまで、利用者調査、概念探索、制作、試験を重ね、機能する試作品を公開する。公式スポンサー要項は成果知財をスポンサーへ引き渡すと明記している。工作設備は学生案件を優先し、研究・一般コミュニティはその後に配置。時間外利用には訓練が必要で、高度な機械は原則職員が扱う。自由な交流を支える一方、設備の優先順位、安全、企業側の関与を具体的な運用条件にしている。教員の支援と試作専門家の安全管理を併用する。

  1. 企業課題を教員と具体化
  2. 学生が課題と仲間を選ぶ
  3. 利用者調査→試作→試験
  4. 機能試作品をGalaで公開
  5. 成果・知財を企業へ接続

02誰が負担し、誰が担うか。

PdPスポンサー企業が1案件€15,000+VATを負担。大学全体の基盤費と拠点総運営費の配賦は未確認。

制度やプログラムの財源と、各参加企業・地域に発生する費用は同じではありません。公開範囲を超える案件別予算・契約条件は未確認です。

03確認できたこと。

€15,000

PdP 1案件のスポンサー料(+VAT)

2026-09-27公開要項確認

この数字の原典を読む ↗
運営者の報告 2026-09-27閲覧(対象年度の明記なし)

PdPは通常約8人のチームに学生プロジェクトマネジャーを配置し、年間約150〜200人が参加。

読み取れる範囲:参加人数は教育活動の規模であり、商品化率・事業成果ではない。

原典で確かめる ↗ 出典の説明 ↓
確認した事実 2026-09-27

スポンサーの負担は€15,000+VAT。担当者の配置と継続的なフィードバックを要求し、知財はスポンサーに引き渡す。

読み取れる範囲:案件の総原価や追加試作費、量産費を示すものではない。実際の契約確認は別途必要。

原典で確かめる ↗ 出典の説明 ↓
運営者の報告 2025-09-16(2025-12-04更新)

Torgglerとの9か月の包装開発で2種類の解決案を制作し、2件の特許出願中と2025年9月に公表。

読み取れる範囲:特許成立・量産・市場導入を意味せず、単独案件の紹介。

原典で確かめる ↗ 出典の説明 ↓
MDL ANALYSIS

04日本で活かすなら。

本調査の提案:日本の共創拠点が移すべき要素は、明るい工房より『課題提供者の継続参加』と『小人数チームの責任構造』である。自治体や地域企業の課題を学生に渡す際は、現場責任者・学習責任者・試作専門家を分け、現場訪問の権限と材料費を先に確保する。成果を評価する際は、学生の学習とスポンサーの事業成果を分けて記録する。学生を安価な外注先にせず、失敗できる教育目的、指導時間、発表・知財の条件を事前合意する。企業が試作品を受け取った後の担当者と追加予算まで用意すれば、年度末の発表会で案件が止まるリスクを減らせる。

05そのまま真似できないこと。

大学教育と企業の納期・知財要求は一致しない場合がある。参加者数や試作品数だけでは、混成チームが単独専門チームより優れるという因果関係は確認できない。スポンサーの継続参加には社員の時間という追加費用がかかる。公開資料では全案件の調達・商品化・中止・3年継続率を確認できず、特許出願事例をプログラム全体の成功率へ拡大して解釈できない。

PROPOSAL / 未実施の検証案

06次に、何を確かめるか。

提案・未実施:拠点運営者が6案件を9か月追跡し、企業担当者の月次参加を契約化した案件と従来案件で試験完了率・手戻り時間・卒業後6か月の企業引継率を比較。学習成果が損なわれる、または指導込み総工数が増えるだけなら課題の粒度と企業関与方法を変更する。

07現場を、写真と動画で。

DF Labsでの試作授業。
DF Labsでの試作授業。
PHOTO: Aalto Design Factory · 掲載元 ↗ · Official press/media permission ↗
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Prototyping class at the DF Labs 2 · 2025-01-22 · 縮小・表示枠に合わせた切り抜き。色変更なし。

工作材料、メモ、簡易プロトタイプを囲む学生の手元。
工作材料、メモ、簡易プロトタイプを囲む学生の手元。
PHOTO: Aalto Design Factory · 掲載元 ↗ · Official press/media permission ↗
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Lowfi prototyping · 2025-01-20 · 縮小・表示枠に合わせた切り抜き。色変更なし。

DF Labsの設備と作業スペース。
DF Labsの設備と作業スペース。
PHOTO: Photo: Adela Navratilova; color: George Atanassov / Aalto Design Factory · 掲載元 ↗ · Official press/media permission ↗
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DF Labs · 2024-10-02 · 縮小・表示枠に合わせた切り抜き。色変更なし。

PDP2025のSaab案件プロトタイプ展示。縦構図。
PDP2025のSaab案件プロトタイプ展示。縦構図。
PHOTO: Aalto Design Factory · 掲載元 ↗ · Official press/media permission ↗
写真の詳細


PDP2025 prototype (case Saab) · 2025-05-16 · 縮小・表示枠に合わせた切り抜き。色変更なし。

冒頭写真:DF Labs内で複数の学生チームが共同作業する実習風景。

公式サイトで、写真・最新の活動を見る ↗

08原典を読む。

制度の説明と運営者による実績報告を区別しています。日付記載のない資料は、公表時点を確定できません。確認日は資料を確認した日であり、活動や成果が発生した日ではありません。

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PdP – Aalto University ↗

約8人、学生PM、年間150〜200人、企業課題と機能試作

Aalto University / Product Development Project · 公表:日付記載なし
確認箇所:Learn in interdisciplinary teams / Build the products of the future · 確認日:2026-09-28
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Become our next sponsor ↗

€15,000+VAT、企業担当者、継続助言、知財移転

Aalto University / Product Development Project · 公表:日付記載なし
確認箇所:Sponsor responsibilities / What we offer · 確認日:2026-09-28
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Prototyping labs ↗

学生優先、時間外訓練、高度機械の職員利用

Aalto Design Factory · 公表:日付記載なし
確認箇所:冒頭の資源優先順位・訓練条件 · 確認日:2026-09-28
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Student innovators seal a new future for silicone ↗

Torgglerとの9か月開発、利用者調査、2件の出願中特許

Aalto University · 公表:2025-09-16(2025-12-04更新)
確認箇所:Two solutions, two patents · 確認日:2026-09-28
AD-05

About Aalto Design Factory ↗

2008年開始、学際的学習と共同開発の拠点

Aalto Design Factory · 公表:日付記載なし
確認箇所:沿革・2008年設立 · 確認日:2026-09-27
aalto-backcast-01

From seaweed to startup, fostered by PdP and Aalto’s ecosystem ↗

Sealeväの3人から6人への拡充、学内設備接続、150件超面談・LOI、商用化は今後の目標

Aalto University · 公表:2026-06-15
確認箇所:A Team Built Across Disciplines / Making the Ecosystem Work · 確認日:2026-09-28

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