MDL.MOBILITY
DESIGN LAB
RESEARCH / 01
WORLD CO-CREATION ATLAS
WORLD CO-CREATION ATLAS / 05 現物をつくる / CASE 14

CASE 14 / 日本 / 東京・御茶ノ水

Science Tokyo Robotics Innovation Center

東京科学大学 ロボット未来創造センター

実験を回す場所と、次の自動化をつくる場所を接続する。

生命科学の実験をロボットで反復する共用基盤。特徴は、既存プロトコルを安定運用する「ロボット実験室」と、新技術を検証する「次世代自動化開発室」の組合せにある。2026年4月に本格稼働したが、学外利用の料金・契約はなお制度設計中。研究成果、施設稼働、誰でも利用できる状態を分けて読む必要がある。

公式サイトを見る ↗

大学・研究機関 · 調査確認日 2026.09.28

東京科学大学湯島キャンパス。左側にM&Dタワーが見える。
所在キャンパス
PHOTO: Kakidai · 掲載元 ↗ · CC BY-SA 4.0 ↗
写真の詳細

Robotics Innovation Centerが2026年に開所したM&Dタワーは写真左の高層棟。2024年11月の開所前の外観。
湯島キャンパスとM&Dタワー · 2024-11 · 表示用に縮小。切り抜き・色変更なし。

LOCATION / 所在地
日本・東京・御茶ノ水
湯島キャンパスの代表位置。施設は東京都文京区湯島1-5-45 M&Dタワー20階。
ESTABLISHED / 設立・開始
2025年10月1日設置/2026年4月1日本格稼働/4月15日開所式
OPERATOR / 運営
国立大学法人東京科学大学 リサーチインフラ・マネジメント機構 ロボット未来創造センター
ROLE / 主な工程
デジタルで試す / 現物をつくる / 現場で確かめる

AT A GLANCE

この事例の要点。

概要をつかんでから、知りたい項目へ。

何をする場・制度?

生命科学の実験をロボットで反復する共用基盤。

運営の仕組みを読む ↓

何を学べる?

実験を回す場所と、次の自動化をつくる場所を接続する。

日本で活かす条件を読む ↓

どこまでわかっている?

公表された成果と、まだ確認できない点を分けて整理しています。

成果と根拠を確かめる ↓
対象単位
施設・場所
状況
構想を確認個別案件:JST CREST「AIが創薬研究をするための『生きている研究室』の開発」 · 2026-09-28

東京科学大学の生命科学向け共用研究拠点。安定運用する実験室と新技術の開発室を対象とする。

最初に読むポイント

実験を回す場所と、次の自動化をつくる場所を接続する。

東京科学大学の生命科学向け共用研究拠点。安定運用する実験室と新技術の開発室を対象とする。 支援機能と実装への接続に注目する。

どちらの入口でも、本文と根拠は同じです。最初に読むポイントだけを切り替えます。

VALUE CREATION / 価値が生まれる仕組み

この事例を、4つの切り口で。

生命科学の実験を、ロボットで安定して実行する運用拠点と、次の自動化技術をつくる開発拠点を接続する。社会実装の鍵はロボット台数より、準備・復旧・教育・利用契約まで研究サービスとして成立させる点にある。2026年に本格稼働したが、外部利用制度は準備中で、研究時間や再現性の改善を施設の実績として評価するには今後の測定が必要である。

I / INPUT

何を持ち込んでいるか。

活動の出発点となる資源と課題を分けて整理します。「自社」は、その場・制度を運営する組織を指します。

人的資本誰が、どんな力と責任を持ち寄るか
自社・運営組織

東京科学大学リサーチインフラ・マネジメント機構が運営。中山敬一センター長、神田元紀副センター長の下、設備管理、実験支援、教育をセンターの業務として位置づける。

公開資料で確認出典 1
他社・事業会社

開所時には安川電機、アステラス製薬、セラファ・バイオサイエンス等が参加。これは産業界との接点の証拠であり、各社の常駐人数や個別研究契約まで示すものではない。

公開資料で確認出典 1
行政・公共機関

文部科学省等の設立支援への謝意が開所報告に記載される。関連研究にはJST CREST等の資金制度があるが、行政職員による日常運営は未確認。

公開資料で確認出典 1出典 2
スタートアップ

関連するBioSkillDXにはプラチナバイオ等が参加。研究プロジェクトへの参画とセンターの入居・利用契約は別であり、専用のスタートアップ入居制度は未確認。

公開資料で確認出典 1
アカデミア

生命科学と工学の研究者を接続する。神田研究室の「生きている研究室」課題には理化学研究所・筑波大学の研究者が共同研究者として参加する。

公開資料で確認出典 1出典 2
市民・利用者・現場

一般市民や患者がセンターの運営判断に常設参加する仕組みは公開資料では未確認。医療の研究利用と市民参加型リビングラボを同一視しない。

公開資料では未確認

有形資産

場所・設備・実証環境

湯島キャンパスM&Dタワー20階に、LabDroid「まほろ」、自動分注機、培養・解析機器等を整備する。安定実験を担う部屋と次世代開発の部屋を分ける。

公開資料で確認出典 1出典 2

関係資本

信頼・ネットワーク・導入先

研究者・技術者・オペレーター・企業が協働する運営思想を示す。医学側の実験課題と工学側の開発課題を往復させる点に、大学統合による医工連携の意味がある。

MDLの分析出典 1

金融資本

活動資金・投資・費用負担

大学の基盤整備と関連する外部資金課題を確認できる。センター単体の整備・保守費、費用回収計画、一般利用料金は公開資料では未確認。CRESTの採択をセンター全体の財源と読み替えない。

公開資料では未確認出典 1出典 2出典 3

知的資本・データ

技術・知財・知識・標準

NGS、プロテオミクス、オルガノイド、細胞培養の実験手順を集積・最適化する。研究室はSOP、実験記録、データ形式、知財・研究倫理も研究領域に挙げるが、すべての標準が完成済みとは説明していない。

公開資料で確認出典 1出典 2

課題・ニーズ

誰の何を変えるのか

研究人材の不足と実験の再現性に加え、操作を自動化しても準備・片付け・異常復旧を人が担い続ける問題がある。「機械が動く」から「研究を継続して任せられる」への移行が課題である。

MDLの分析出典 1出典 2

II / VALUE CREATION FUNCTIONS

資源を、どう価値へ変えるか。

以下は既存の8ステップへの編集上の対応づけです。各施設の公式な工程名や、全工程を自前で担うことを意味しません。

科学の問いを実行可能な手順に変える

生命科学の研究者が必要とする実験を、ロボットが扱える動作・試料・解析の組合せへ翻訳する。既存メニューの利用に加え、新しい実験課題を共同で自動化する構想であり、装置を置くだけでは得られない支援機能となる。

MDLの分析出典 1

実験室全体を開発対象にする

単体ロボットだけでなく、周辺装置、状態把握、シミュレーションを扱う。実験キューや試薬・機器の管理まで視野に入れることで、個々の実験が成功しても一日の運用が詰まる問題を発見できる。後半は研究領域としての位置づけである。

MDLの分析出典 1出典 2

開発技術を安定した運用へ移す

次世代自動化開発室の技術を実証し、安定化後にロボット実験室へ導入する。実験を止めてよい試作段階と、研究者に継続サービスを提供する段階の責任を分けられる設計として読める。正式な受入基準の公開は未確認。

MDLの分析出典 1

共同利用に必要な条件を整える

固定メニュー、課題別カスタマイズ、習熟者の時間利用を想定する。利用者の熟練度に応じて支援工数と価格を設計できる構成だが、2026年9月の公式情報では費用・契約・条件を制度設計中であり、完成した外部サービスとは扱わない。

MDLの分析出典 1

III / OUTPUT

直接、何が生まれたか。

試作品、データ、契約、標準、育成した人材など、活動から直接生まれたもの。

  1. 2025年10月にセンター設置、2026年4月に本格稼働と開所式を実施。施設・設備の稼働開始は確認できるが、一般向け予約サービス開始と同義ではない。

    公開資料で確認出典 1出典 2
  2. 関連研究「生きている研究室」はJSTの2025年度採択課題。研究代表・共同研究体制と、準備・片付け・復旧を含める研究対象が示されている。全自動研究室の完成報告ではない。

    公開資料で確認出典 1
  3. BioSkillDXでは実験作業データ、暗黙知を学ぶAI、作業支援システムを研究対象としている。公開ページで確認できるのは事業構成・参加者であり、完成した大規模データセットの数量は未確認。

    公開資料で確認出典 1

IV / OUTCOME

その結果、何が変わったか。

実際の利用、行動、業務、事業、地域の変化。報告された変化と、施設の活動に帰属できる効果は区別します。

  1. センター利用による研究者の実作業時間、再実験率、試料当たり費用、研究成果の増分は公開資料では未確認。再現性向上・創造的時間の確保は目標として示されている段階である。

    公開資料では未確認出典 1

PROJECT IN FOCUS / 具体的な事例

JST CREST「AIが創薬研究をするための『生きている研究室』の開発」

確認できた段階:構想 調査確認日 2026-09-28

誰の課題を、どう扱ったか

神田元紀教授を代表とする2025年度採択課題。実験ロボット、AIエージェント、フィジカルAIを結び、操作以外の準備・片付け・復旧まで自動化する研究。研究開発中であり、施設全体の完成状態を示すものではない。

公開資料で確認出典 1

生まれたもの

研究課題・採択番号JPMJCR2551・共同研究者を確認。自律的な論文生成は目指す姿で、達成済みの成果としては掲載しない。

公開資料で確認出典 1

確認できた変化

本課題による創薬成果、無人運用時間、従来方式に対する費用・品質の改善は公開資料では未確認。

公開資料では未確認

評価の限界:センターとの設備・費用の対応関係、実験停止を伴う異常への対応、長期比較試験と利用者の採用判断を次に確認する。

DESIGN BACKWARDS FROM IMPLEMENTATION

社会実装から逆算して、
何を先に整えているか。

実証の先にある導入・運用・継続から、この事例の設計を読み解きます。原典で確認できる仕組みと、MDLの設計解釈・他地域へ応用するための提案を区別して読んでください。「提案」「未実施」と記す内容は、当地で実施済みの工夫ではありません。仕組みの存在と、全案件で成果が出たことも別に扱います。

01

日常利用と開発を分ける

研究者が頼れる実験サービスを出口に置くなら、動作の変更を重ねる開発機と安定稼働を求める機器を分ける必要がある。二つの室を結ぶ移管は、その受入判定を組み込める構造になっている。

MDLの分析出典 1
02

準備・復旧まで自動化の範囲に入れる

関連CREST課題は実験操作の外側に残るCareを扱う。人の介在を数える際、実験中だけを見ないことが、労力削減と連続利用を実現する前提になる。現時点では研究目標と実現結果を分けて読む。

MDLの分析出典 1
03

研究者の利用能力に合わせる

実験を依頼したい人と、自分でロボットを操作したい人では必要な支援が違う。複数の利用形態を設ける構想は、熟練者しか使えない設備になることを避ける工夫と解釈できる。

MDLの分析出典 1
04

実験手順と利用制度を共通資産にする

研究室は技術だけでなく運用・科学・制度設計を対象にする。別の装置や拠点へ広げるには、成功手順に加えて記録方法、失敗時の対応、権利を引き継げる必要がある。これらは今後の実装評価項目である。

MDLの分析出典 1

MORE DETAIL / 運営・根拠・応用

運営の全体像と、学びを深める資料。

費用負担、公表値、応用条件、写真・動画、原典を続けて確認できます。

01どう動かしているのか。

ロボット実験室ではLabDroid「まほろ」等を集積し、NGS、プロテオミクス、オルガノイド、細胞培養の実験手順を蓄積・最適化する。次世代自動化開発室では企業・工学系研究者が補助装置、状態把握、シミュレーション、新型ロボットを開発し、安定化した技術を実験室へ移す。利用形態は固定メニュー、課題別カスタマイズ、習熟者の時間利用を想定し、設備管理、利用支援、教育もセンターが担う。公式ページは学内・学外とも2026年度中の試験利用に向け準備中と明記しており、現時点で一般募集・予約・価格が確定した共同利用サービスとは扱わない。2026年5月の開所報告は、研究者、技術者、オペレーター、産業界が協働する運営思想を説明している。

  1. 研究課題と実験プロトコルを整理
  2. 既存技術で安定実行/不足技術を別室で開発
  3. 開発技術を実証・安定化
  4. 運用室に導入し手順を蓄積・共有

02誰が負担し、誰が担うか。

大学による研究基盤整備。文部科学省・企業等の支援への言及はあるが、センター単体の整備費・運営費の負担内訳、外部利用料金は未確認。

制度やプログラムの財源と、各参加企業・地域に発生する費用は同じではありません。公開範囲を超える案件別予算・契約条件は未確認です。

03確認できたこと。

2

安定実験と次世代開発を担う2つの室

2026-09-27確認

この数字の原典を読む ↗
確認した事実 2026-09-27確認

2026年4月1日に本格稼働。外部利用の費用・契約・条件は2026年度試験利用に向け制度設計中。

読み取れる範囲:開所と外部サービス開始を同一視しない。

原典で確かめる ↗ 出典の説明 ↓
確認した事実 2026-09-27確認

2つの室を分け、開発・検証した技術を安定化後に実験室へ導入する構成を公開している。

読み取れる範囲:変更承認の手順、停止権限、稼働率の測定結果は未公開。

原典で確かめる ↗ 出典の説明 ↓
運営者の報告 2026-06-03更新

2026年4月15日の開所式を実施。研究と技術開発を並行し、将来はプロトコル集約・共有を目指す。

読み取れる範囲:将来の自律型研究ネットワークは構想。実現済み成果とは区別。

原典で確かめる ↗ 出典の説明 ↓
MDL ANALYSIS

04日本で活かすなら。

本調査の分析:日本の共創拠点へ移すべき要素は、大量のロボット購入よりも、安定して使う技術と開発中の技術を分ける運用である。前者は再現性、稼働率、安全、復旧時間を管理し、後者は仮説、失敗、変更履歴を管理する。実験責任者と設備管理者が共同で移管を判定し、手順書、部品表、ログ、異常時対応を渡せる状態を完成条件にする。都市サービスでも同様に、住民が日常利用する運用と、未成熟技術の試験を区別し、その間に明確な受入基準を置く。利用者の研究費や現場負荷まで含めて負担を測れば、設備共用の実質的な価値を判断できる。

05そのまま真似できないこと。

公開情報は設置・機能・構想に厚く、センター単体の費用対効果には薄い。ロボットによる研究成果があっても、それを新センターの事業成果に帰属させることはできない。標準料金、予約待ち、開発費、故障率、知財・実験データの権利、バイオ安全責任は未確認。利用制度が整うまで、外部から即利用できる拠点と紹介するのは不正確である。生命科学向け設備条件を都市サービスにそのまま移せるわけでもない。

PROPOSAL / 未実施の検証案

06次に、何を確かめるか。

提案・未実施:拠点運営者と現場責任者が90日間、同一の反復作業を手作業と標準化した自動実行で比較する。準備・再作業・復旧を含む総工数と品質差を測定し、総工数20%以上減かつ品質悪化なしを次段階の条件とする。重大な安全不具合、復旧不能、データ権限未確定なら移管を停止する。

07現場を、写真と動画で。

冒頭写真:東京科学大学湯島キャンパス。左側にM&Dタワーが見える。

公式サイトで、写真・最新の活動を見る ↗

08原典を読む。

制度の説明と運営者による実績報告を区別しています。日付記載のない資料は、公表時点を確定できません。確認日は資料を確認した日であり、活動や成果が発生した日ではありません。

s05-f01-01

ロボット未来創造センター ↗

設置・稼働時期、提供形態の構想、学外利用制度の準備状況

東京科学大学 · 公表:日付記載なし(沿革・利用制度を現行ページで確認)
確認箇所:センター概要/沿革/ご利用について · 確認日:2026-09-27
s05-f01-02

ロボット施設 ↗

使う・作るの2機能、安定化後の運用室への移管

東京科学大学 ロボット科学分野 · 公表:日付記載なし
確認箇所:ロボット実験室/次世代自動化開発室/医工連携による施設拡張 · 確認日:2026-09-27
s05-f01-03

「ロボット未来創造センター 開所式および記念シンポジウム」を開催 ↗

2026年開所、オペレーターを含む協働構想と将来ロードマップ

東京科学大学 · 公表:2026-05-14(2026-06-03更新)
確認箇所:センター紹介/主催者あいさつ/来賓あいさつ · 確認日:2026-09-27
ric-backcast-01

ロボット未来創造センター ↗

設備・業務、2026年稼働、2026年度試験利用に向けた制度設計

東京科学大学 · 公表:日付記載なし
確認箇所:センター概要/沿革/ご利用について · 確認日:2026-09-28
ric-backcast-02

ロボット施設 ↗

対象実験、二室構成、実証と安定化を経た運用移管

東京科学大学 ロボット科学分野 · 公表:日付記載なし
確認箇所:ロボット実験室/次世代自動化開発室/医工連携 · 確認日:2026-09-28
ric-backcast-03

ロボット未来創造センター 開所式および記念シンポジウムを開催 ↗

開所、産学官参加、研究者・技術者・オペレーターの協働方針

東京科学大学 · 公表:2026-05-14(2026-06-03更新)
確認箇所:主催者挨拶/センター紹介/来賓 · 確認日:2026-09-28
ric-backcast-04

プロジェクト ↗

研究の対象範囲と外部資金。列挙事項すべてが進行案件ではないと明記

東京科学大学 ロボット科学分野 · 公表:日付記載なし
確認箇所:技術/運用/科学/制度設計/参加外部資金課題 · 確認日:2026-09-28
ric-backcast-05

実環境知能システム 2025年度採択課題 ↗

生きている研究室、共同研究者、Care自動化の研究目標

JST · 公表:2025年度採択(掲載日記載なし)
確認箇所:神田元紀/JPMJCR2551/研究概要 · 確認日:2026-09-28
ric-backcast-06

BioSkillDX ↗

実験暗黙知獲得・作業支援の研究目的と参加者

BioSkillDX研究プロジェクト · 公表:日付記載なし
確認箇所:About/Member · 確認日:2026-09-28

FROM THIS CASE TO YOUR PROJECT

読んだ事例を、自分の計画へ。

公式動画

動画が再生できない場合は、各項目の「公式サイトで見る」をご利用ください。