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WORLD CO-CREATION ATLAS
ATLAS / 学びの入口 / 市民の声は、どの設計を変えたか

判断を追うケース教材 / CASE 01 / 市民と共同設計する

FOLLOW THE DECISION.

市民の声は、どの設計を変えたか

ヘルシンキのDigiGuideを読み、参加の有無から一歩進んで、意見・設計変更・継続判断のつながりを確かめる。

READ.
TRY.
RETHINK.

知る。自分の案件で考える。
確かめて、また学び直す。

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AFTER THIS LESSON

読んだ後、できること。

読む目安 12分 / 演習の時間は含みません

01

読む範囲:サービス案内を、利用者とつくり直す

【運営者報告】DigiGuideは、ヘルシンキ市の就労に向けたリハビリ活動部門とStereoscapeが開発した、サービスの場所と内容を案内するウェブ地図である。Forum Virium Helsinkiが支えるCommuniCityの初回実証群に含まれる。

【分析】学習の問いは「対話をしたか」から「誰の指摘で何を変え、どの根拠で次へ進んだか」へ進むこと。この事例は共創の過程を学ぶ材料であり、利用者の就労や生活が改善した因果効果の証明ではない。

【読み方】以下の実例は一次資料の要約。【運営者報告】は実施側の説明、【事実】は公開記録等で確認した事項、【分析】は本教材の解釈、【未確認】は公開資料で埋まらない部分を示す。後半のMDL演習は架空の条件設定で、実例の出来事ではない。

根拠:Forum Virium Helsinki・2024-05-13 / CommuniCity / Sociedade Portuguesa de Inovação・2024-02-28(個別記事URLの日付)

02

実例の流れ:期待とのずれを見つけ、実証を延長する

【分析】矢印は自動的な成功の連鎖ではない。次へ移った事実と、その理由を説明できる証拠を分けて読む。

段階公開資料から追えること次へ進んだつながり・空白
【分析】出発点【運営者報告】必要な市のサービスと拠点を見つけやすくすることが開発目的。【未確認】開発前の探し間違い、未利用率、本人の負担の基準値。
【分析】当初の仮説【分析】場所・内容を分かりやすく示せば、利用者が必要な情報へ到達しやすくなるという仮説として読める。【未確認】事前に定めた成果指標と採否基準。地図以外の選択肢を比べた記録。
【分析】対話【運営者報告】市の専門職と利用者が設計ワークショップに参加。利用者テストや個別インタビューも行った。【未確認】発言録、参加しなかった人の事情、利用者が持つ最終決定権。
【分析】変更【運営者報告】初期案と期待のずれを認識し、別のソフトウェアや基盤を探索する方向へ転換した。【未確認】旧仕様と新仕様の差分、変更を求めた人、採用・不採用理由の一覧。
【分析】結果【運営者報告】Mapmeを用いるブラウザー上の案内地図を開発。FVHは好評価だったと説明する。【未確認】地図による情報到達率の改善、職員工数、非利用者への効果。
【分析】判断【運営者報告】2024年5月の記事は、実証を同年秋まで延長したと記す。【未確認】延長の決裁者、追加費用、判定表。延長は恒久導入の決定とは読めない。
【分析】その後【事実】この教材で確認した個別記録は、延長判断までを説明している。【未確認】延長後の契約、継続利用、情報更新の担当、2026年時点の提供状況。

根拠:Forum Virium Helsinki・2024-05-13 / CommuniCity / Sociedade Portuguesa de Inovação・2024-02-28(個別記事URLの日付)

03

成果と因果を分ける:好評価の先に、行動の確認を置く

【分析】確認できるのは、共同設計の活動、試作品、方向転換と延長の報告である。「案内が分かりやすくなった」と「本人が必要なサービスを利用できた」は別の成果になる。

知りたいことこの事例の証拠追加で必要な確認
【分析】何を作ったか【運営者報告】案内地図と共同設計の実施。【分析】仕様変更の履歴と、更新できる担当を確認する。
【分析】利用者の行動は変わったか【未確認】比較可能な利用前後の行動データは今回確認できない。【分析】同じ課題での情報到達、必要な介助、途中離脱を記録する。
【分析】共創が改善を起こしたか【未確認】共同設計をしない条件との比較はない。【分析】職員の手助け、新規性、参加者の偏りという別の説明を検討する。
【分析】生活や就労が改善したか【未確認】長期の生活・就労成果をこの資料からは判断できない。【分析】本人が望む成果を定義し、案内以外の支援の影響も追う。

根拠:Forum Virium Helsinki・2024-05-13 / CommuniCity / Sociedade Portuguesa de Inovação・2024-02-28(個別記事URLの日付)

04

次に聞くこと:利用者の意見に、誰が返答するか

【分析】意見を受け取るだけでは、設計に反映したかを検証できない。指摘、対応案、決定者、理由、本人への返答を一組で残すと、参加が設計へ届く経路を点検できる。

【事実】Steenとvan Buerenの原著は、利用者をテストに参加させることと、開発の意思決定に関与させることを区別している。この基準をDigiGuideに機械的に当てはめて、公開されていない権限を「なかった」と断定することも避ける。

  • 【未確認の調査課題】当初案と期待のずれは、誰が、どの場面で発見したのか。匿名化した変更記録はあるか。
  • 【未確認の調査課題】言語、読みやすさ、デジタル機器へのアクセスに制約がある人を、どう参加させたか。
  • 【未確認の調査課題】延長後に、誰が内容更新と利用者からの問い合わせを引き受けたか。

根拠:Kris Steen / Ellen van Bueren, Technology Innovation Management Review・2017-07

05

MDL仮想演習:地図の修正、案内支援、サービスの再設計を比べる

【MDL仮想演習・未実施】あなたの地域で、複数の支援窓口の違いが分からず相談を断念する人がいると仮定する。市のサービス所管責任者が30日後に、次の90日間で試す方式を選ぶ。MDLは観察と対話の設計を支援し、利用者の意思決定を代行しない。

【提案】判断基準は、本人が必要な情報へ到達できるか、支援者の負担、参加できない人への影響、年間更新費。同じ対象・期間で3案と現状維持を比較する。

選択肢変える仕組み確認する条件
【仮想案A】案内地図を共同修正【分析】利用者のつまずきを画面と説明へ反映する。【分析】自力到達率、アクセシビリティ、更新担当と費用。
【仮想案B】人による案内を整える【分析】窓口・地域団体の案内員が必要な支援へつなぐ。【分析】到達率、待ち時間、案内員の工数と継続財源。
【仮想案C】サービス側を再設計【分析】複雑な申込条件や窓口の分断を減らす。【分析】所管間の権限、手続変更の期間、取り残される人。
【仮想・現状維持】既存案内を続ける【分析】新規開発を行わず、現在の運用を記録する。【分析】相談断念と職員の説明負担がどれだけ残るか。
06

最小の検証:満足度に加え、使えなかった場面を残す

【提案・未実施】最初の30日で利用者と非利用者の行動を観察し、何をもって情報へ到達したとするかを本人と決める。次の90日で選んだ方式を試し、可能なら開始時期をずらした同等の窓口と比較する。担当職員の手助け量も記録する。

【反対仮説】改善が見えても、地図の修正ではなく職員の付き添いが増えただけかもしれない。支援を減らした場面でも改善が残るか、機器を持たない人に不利益がないかを確かめる。

【提案・未実施】所管責任者が90日後に判断し、利用者へ採否理由を返す。365日後の更新費と利用継続も確認する。効果の閾値と追加費用の上限は開始前に合意し、結果を見てから都合よく変更しない。

WORKED EXAMPLE / 編集部による記入例

どこまで書けばよいか、例でつかむ。

以下は考え方を示す学習用の記入例です。実案件の実績・予算・合意を示すものではありません。

誰が、どこで困っているか
仮想例:初回相談者が3つの窓口の違いを説明できず、申込を保留した。
意見から変える仕様
仮想例:地図だけでなく『相談できる内容』を入口にした案内を試す。
別の説明と確かめ方
仮想例:職員が付き添ったため使えた可能性。介助量と到達率を一緒に記録する。
判断する人・期限・返答
仮想例:所管課長が90日後に判断。担当職員が利用者へ変更点と不採用理由を説明する。

YOUR WORKSHEET / 自分の案件で考える

自分の案件の「声→変更→返答」を1本つなぐ

MDLの仮想練習です。下の例はヘルシンキで実際に起きた発言や変更ではありません。自分の案件の観察で書き換えてください。

入力はこのブラウザに自動保存されます。ほかの端末への引き継ぎには「バックアップ」と「読み込み」を使ってください。共有する前に、個人情報や非公開情報が含まれていないか確認してください。

入力を待っています0 / 4項目を記入

想像した人物像より、観察した行動と本人の言葉を分けて書く。

記入例を参考にする

仮想例:初回相談者が3つの窓口の違いを説明できず、申込を保留した。

画面の見た目だけでなく、案内・手続・人の支援も候補にする。

記入例を参考にする

仮想例:地図だけでなく『相談できる内容』を入口にした案内を試す。

好評価が出ても、なぜそうなったかを一つに決めない。

記入例を参考にする

仮想例:職員が付き添ったため使えた可能性。介助量と到達率を一緒に記録する。

採否を決める人と、参加者へ返す人を明記する。

記入例を参考にする

仮想例:所管課長が90日後に判断。担当職員が利用者へ変更点と不採用理由を説明する。

次の人に説明できるか、確かめる

記入済みの数は進捗の目安です。内容の妥当性や、実行の準備が整ったことを判定するものではありません。

DECISION / 次に何をするか

進む。変える。いったん止める。

以下はMDLによる判断の手掛かりです。担当者と当事者で確認し、判断した日と理由をシートに残してください。

進める条件

【MDL演習条件】本人の情報到達が事前基準を満たし、非利用者への案内も確保され、更新担当と費用が定まるなら継続する。

戻って、変える条件

【MDL演習条件】好評価でも付き添いがないと使えない場合は、画面・案内方法・サービスの構造を変更する。

保留・停止する条件

【MDL演習条件】本人の困りごとを解消せず、負担を増やす、または維持する主体がいない場合は拡張を止める。停止理由と学びを返す。

SOURCES / 原典を読む

根拠と、読み取れる範囲。

定義・資料に書かれたことと、教材としての整理・演習を区別しています。記入例と判断基準はMDLによる学習用の提案です。

Forum Virium Helsinki · 2024-05-13

Empowering marginalised communities: Innovative services piloted in Helsinki ↗

何が分かるか:実施側の一次報告。市の専門職と利用者による設計、共同テスト、実証の2024年秋までの延長を確認する。

読み取れる範囲・限界:個別の発言録、仕様差分、決裁・契約原本、前後比較、延長後の利用は掲載されていない。好評価は因果効果ではない。

確認箇所:Service map helps city residents
関連工程:01 課題を捉える / 03 仲間をつくる / 06 現場で確かめる / 08 社会へ広げる · 確認日:2026-09-27

CommuniCity / Sociedade Portuguesa de Inovação · 2024-02-28(個別記事URLの日付)

Interactive DigiGuide well received by Rehabilitative Work Activities in Helsinki ↗

何が分かるか:実施コンソーシアムの一次報告。市職員とのワークショップ、利用者テスト・個別面談、初期案と期待のずれ、別基盤の探索を記述。

読み取れる範囲・限界:同文がマニュアルにも再掲されるが独立した裏付けではない。旧案と新案の画面・機能差分、発言者、評価値は未掲載。

確認箇所:同名記事。個別記事は取得不可のため公式ニュース一覧内の本文を確認
関連工程:01 課題を捉える / 03 仲間をつくる / 06 現場で確かめる · 確認日:2026-09-27

Kris Steen / Ellen van Bueren, Technology Innovation Management Review · 2017-07

The Defining Characteristics of Urban Living Labs ↗

何が分かるか:原著。利用者との開発・意思決定を、テストへの参加や利用者データの収集から区別する。

読み取れる範囲・限界:特定地域の90件を定義で点検した研究。世界の成功率や生活改善の因果効果を測ったものではない。

確認箇所:Living Labs in Practice / User involvement challenges
関連工程:01 課題を捉える / 03 仲間をつくる / 06 現場で確かめる · 確認日:2026-09-27

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