MDL.MOBILITY
DESIGN LAB
RESEARCH / 01
WORLD CO-CREATION ATLAS
ATLAS / 学びの入口 / 土地と権限を、使う時間まで描く

まちづくりの基礎 / Map Space and Authority

MAKE PLACES WORK.

土地と権限を、使う時間まで描く

広場、道路、民間敷地を一つの景色として扱う前に、所有・利用・管理・判断の関係をほどき、小さく試せる範囲を決める。

READ.
TRY.
RETHINK.

知る。自分の案件で考える。
確かめて、また学び直す。

実践シートを開く ↗

AFTER THIS LESSON

読んだ後、できること。

読む目安 6分 / 演習の時間は含みません

こんな人へ:公共空間、駅前、遊休地、空き店舗などで活動を企画する人
読む前に:使いたい場所を一つ選ぶ。正確な所有者が分からなくても、未確認と書ければ始められる。

01

「駅前を使う」を、場所・行為・時間に分解する

国土交通省のエリアマネジメント資料は、一定の地域と、住民・事業者・地権者などの関わりを扱います。また2026年のパブリックスペースWGは、公共空間ごとの制度と、関係窓口の連携を論点にしています。見た目がつながる空間でも、確認先を一つと決めつけないことが出発点です。

MDLでは、最初の地図に「何をするか」「いつするか」を重ねます。椅子を置く、販売する、撮影する、車両を入れるでは確認事項が変わり得ます。昼間の休憩場所と、早朝の荷さばき場所が同じなら、平面図だけでなく一日の時間割も必要です。

根拠:国土交通省・2008 / 国土交通省・2026

02

賛同と、場所を変更できる権限を分ける

次の表は、企画者が管理者との相談に持ち込むためのMDLの整理です。どの許認可・同意・契約が必要かを一律に判定するものではありません。現地の用途、管理形態、予定する行為を示し、関係する管理者と担当部署に確認します。

商店街の代表が賛成していても、各店舗の荷さばき条件を代表者だけで把握できるとは限りません。反対に、土地の使用を決められる人でも、通行する人の不便を代弁できるとは限りません。意思決定の権限と、経験を知らせる役割を両方残します。

役割確かめること残す記録
所有・権利関係誰の土地・建物で、利用に関わる権利関係は何か資料の所在、確認者、未確認範囲
利用している人営業・通行・搬入・居住に何を使っているか使う位置と時間、変更による影響
日常の管理者開閉、清掃、点検、苦情を誰が担当するか作業分担、連絡先、休止判断
判断・手続の担当今回の行為を、誰がどの手順で確認するか相談先、条件、期限、文書の状態
周辺の当事者音、通行、眺め、滞在で誰が影響を受けるか懸念、代替案、説明と返答の履歴

根拠:国土交通省・2026

03

大きな図面を完成させる前に、動かせる条件を確認する

ここでの作業順序は教材上の提案です。まず現況と管理範囲を把握し、予定する行為を短い説明図にします。次に管理者や関係担当へ、必要な確認と所要期間を尋ねます。条件を聞いたうえで、配置、利用時間、設備、運営方法を調整します。

相談窓口が協力的であることと、実施条件が確定したことは分けて記録します。「相談前」「確認中」「条件が分かった」「実施に必要な確認が完了」のどこかを表示すると、未確認を合意と読み違えにくくなります。返事を急がせるために開催日を先に公表する設計は避けます。

変えられない条件があれば、民間敷地内に収める、通行を妨げない別位置にする、設備を置かず案内だけを試すなど、目的を保った代替案を出します。条件の違う実証場所を選ぶ際は、得た結果をどこまで元の場所へ移せるかも書きます。

根拠:国土交通省・2026

04

仮想演習:駅前の椅子6脚を、どこに置くか

以下はMDLの架空の駅前演習です。所有・管理関係も含めた仮想設定で、実在地域の権利を示していません。駅前広場、商業ビル前、駅へ向かう通路が連続して見える場所で、移動式の椅子6脚を試す計画を考えます。最初の仮説は「駅に近いほど休憩しやすい」です。

反対仮説は「駅に近い場所ほど通行量が多く、落ち着いて座れない」です。そこで下の3案を比べ、管理条件と利用者の動線を確かめます。最初から最も目立つ位置を採用するのではなく、目的に届く範囲で変更可能な案を選ぶ練習です。

仮想の案確かめたい利点確認が必要な条件
A:広場の中央駅から見つけやすい通行と緊急時動線、管理範囲、片付け担当
B:商業ビル前店舗と清掃・保管を分担しやすい土地利用の条件、営業・搬入、買物をしない人の利用
C:既存座席への案内設置物を増やさず試せる案内物の扱い、座席までの経路、実際の利用可能時間
05

試せる範囲と、学べない範囲を一緒に残す

演習では、地域団体の調整担当が1週間で関係図を作り、施設管理者と配置候補を確認する計画にします。仮の試験をする場合も、実施条件が確認できた範囲だけで行います。確認が済まない場所は図面上に残し、使える前提で予算や広報を進めません。

仮にビル前だけで試せた場合、そこでの利用を道路上の適合性の証拠にしません。利用者の反応、場所固有の条件、確認できなかった条件を分け、次の判断者へ返します。権限地図は一度完成する資料ではなく、設計変更のたびに更新する作業帳です。

WORKED EXAMPLE / 編集部による記入例

どこまで書けばよいか、例でつかむ。

以下は考え方を示す学習用の記入例です。実案件の実績・予算・合意を示すものではありません。

対象範囲と時間
駅前広場の一角、平日10〜16時。早朝の荷さばきは対象外。
予定する行為
移動式の椅子6脚を出し、終了時に倉庫へ戻す。
所有・利用・管理・判断
ビル所有者、店舗利用者、施設管理者、必要な手続の担当部署を別々に確認。
影響を受ける使い方
買物客の通行、店舗の搬入、通院帰りの休憩、清掃車の動線。
条件が合わない場合の案
設置が難しければ、既存座席への案内を先に試す。
誰がいつ確認するか
調整担当が1週間で関係図を整理。管理者との確認後に実施日を決める。

YOUR WORKSHEET / 自分の案件で考える

場所と判断者の地図をつくる

架空の駅前休憩場所づくりの演習です。下の例はMDLが置いた計画条件で、許認可の取得や試験結果を示していません。

入力はこのブラウザに自動保存されます。ほかの端末への引き継ぎには「バックアップ」と「読み込み」を使ってください。共有する前に、個人情報や非公開情報が含まれていないか確認してください。

入力を待っています0 / 6項目を記入

地名だけでなく、境界・利用日・時間帯を書く。

記入例を参考にする

駅前広場の一角、平日10〜16時。早朝の荷さばきは対象外。

置く・売る・撮る・走るなど、具体的な動詞にする。

記入例を参考にする

移動式の椅子6脚を出し、終了時に倉庫へ戻す。

同じ人と決めつけず、未確認を残す。

記入例を参考にする

ビル所有者、店舗利用者、施設管理者、必要な手続の担当部署を別々に確認。

実証に参加しない人の通行・営業・生活も書く。

記入例を参考にする

買物客の通行、店舗の搬入、通院帰りの休憩、清掃車の動線。

場所・時間・設備のどれを変えれば目的を保てるか。

記入例を参考にする

設置が難しければ、既存座席への案内を先に試す。

相談と確認完了を分け、資料と判断の所在を書く。

記入例を参考にする

調整担当が1週間で関係図を整理。管理者との確認後に実施日を決める。

次の人に説明できるか、確かめる

記入済みの数は進捗の目安です。内容の妥当性や、実行の準備が整ったことを判定するものではありません。

DECISION / 次に何をするか

進む。変える。いったん止める。

以下はMDLによる判断の手掛かりです。担当者と当事者で確認し、判断した日と理由をシートに残してください。

進める条件

進む目安:場所・行為・時間が具体的で、必要な確認先と実施条件が明らかになり、日常利用への影響に対応できる。

戻って、変える条件

変更する目安:一部の場所・時間では条件が合わないが、配置変更や既存設備の活用で同じ問いを確かめられる。

保留・停止する条件

その場所での実施を見送る目安:権限・管理範囲が不明なまま、または通行や緊急時動線への懸念を解消できない。机上整理や別場所の検討へ戻る。

SOURCES / 原典を読む

根拠と、読み取れる範囲。

定義・資料に書かれたことと、教材としての整理・演習を区別しています。記入例と判断基準はMDLによる学習用の提案です。

国土交通省 · 2008

エリアマネジメント推進マニュアル【Ⅰ・Ⅱ】 ↗

何が分かるか:地域環境・価値の維持向上、住民・事業者・地権者の主体性、整備後の管理運営、対象エリアの考え方。

読み取れる範囲・限界:基礎概念を学ぶ資料として使用。2008年の制度や支援策を現行の法律・手続と読み替えない。教材の5主題は編集上の構成。

確認箇所:印刷頁9–10「エリアマネジメントの定義・特徴」/Ⅱ「進め方と要素」
関連工程:01 課題を捉える / 02 未来を問う / 03 仲間をつくる / 06 現場で確かめる / 07 事業にする / 08 社会へ広げる · 確認日:2026-09-27

国土交通省 · 2026

官民所有のパブリックスペースの利活用・管理ワーキンググループ とりまとめ ↗

何が分かるか:活動と資金の可視化、地域への還元、公共空間ごとの制度、窓口と官民協議、交通・物流との関係を論点化。

読み取れる範囲・限界:2026年2月13日公表のWG提言。提言を施行済みの制度・法的義務として扱わない。個別場所の権限や許認可はこの資料だけでは確定しない。

確認箇所:第2章「収益と公共性」特にpp.6–7/第4章「手続きの円滑化」/第5章「制度連携」
関連工程:01 課題を捉える / 03 仲間をつくる / 05 現物をつくる / 06 現場で確かめる / 07 事業にする / 08 社会へ広げる · 確認日:2026-09-27

読む順番のあるライブラリへ →